ダンシラのルーロー

台湾名物魯肉飯(ルーローハン)が気になる30代(女性)が、東京都内の魯肉飯を食べ歩いたり食べ歩かなかったり、その他色々考えたり書いたりするブログです。

成人式で揃いの金袴とか花魁スタイルとかしちゃうような人が正直羨ましい。

芸能界からは弩級のニュースが毎日のように飛び出して、毎年恒例の「荒れる成人式」の話題もすっかり落ち着いてきたタイミング。色々意見はあるだろうし、若干嘲笑している風潮もあるだろうけど、私は正直、ああやってド派手(でかなりダサい)格好をして成人式の会場を練り歩く人たちのことがかなり羨ましい。なんか田舎のハロウィンって感じで。私が今二十歳だったら、ああいうことしてたんだろうか。

 

いや、私には地元に友達が誰もいなかったから、絶対叶わなかっただろうな。

 

 

学校に友達が誰もいなくて、お昼休みの弁当を皆机くっつけあって食べている島々の中、ポツンと孤島のように食べていた私。当然地元で連絡を取り合うような友達なんているわけもなく、成人式なんてぶっちゃけどうてもいいわ…と思っていた。家計に余裕もなく、振袖を買ったりレンタルしたりするのも勿体ないわと思っていたので。

ところがなぜか母親が、普段は不足している親心のようなものを発揮して、親戚のお姉ちゃんが着た晴れ着を借りてきて、地元の美容院の予約まで取ってきてしまった。これは逃げられない。だけど母親が予約したオバチャン美容院だったこともあり、私の要望はガン無視で、思いもしないところに逆毛を立てられ、肌に合わない朱色の口紅を塗られ、なんかもうどうにもならないような姿になって仕上がった。

成人式のスタート時間がやってきた。だけど私は会場に足を向けることなく、電車に乗って渋谷へ。地元ぜんぜん関係ない友達ととりあえず会って、お茶をして時間をつぶしてやり過ごした。
私の自治体の成人式は、住んでいるエリアごとに小規模な会場で開催されるものだったので、誰とも話ができない自分がポツンとしてしまうのが怖かったのだ。だから横浜アリーナだ●●会館だっていうような大きな会場で市内の新成人まとめて集まって!みたいな成人式がすごく羨ましかった。

 


ド派手な格好で荒れる成人式は、ヤンキーたちの最後の晴れ舞台だから、みたいな言説を良く見る。でもよくよく参加者を見てみると、そこまでヤンキーっぽくない人たちも揃いの金ぴか袴を着ていたり、花魁スタイルだったりする。たぶん、地元の友達同士で色々相談して、お店に揃いの衣装を注文したんだろうなぁ。体育祭のクラスみんなで揃いのTシャツ作って着る、みたいなほほえましさを感じて眩しい。

 

「成人式」=大人の仲間入り、と思うと腹が立つ人もいるんだろうけど、どっちかっていうと「成人式」=子供時代の卒業式 なんじゃないのかな?って思う。あるいはバチェラーパーティとか。プロムとか。

成人式に出たからといって大人になるわけでもなんでもないけど。もし私が地元の成人式に、友達と示し合わせて花魁スタイルで駆けつけていたとしたら、もう少し健やかに自分の10代に蹴りが付けられたのかもしれないなーなんて思った。


…とかいてたら、あのカンドーさんも少し似たようなお話を書かれてて、ちょっとだけ嬉しくなった。わーい。

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